行保先生亡き後、小俣吉行先生（教士　七段）がその意思を残したいと代表を引き継ぐ。行保先生の次男。
公務員をしながら、剣道に励み、国分寺に小俣ありと言われる程で、国分寺剣道連盟の会長を長きにわたりつとめ、西東京剣道連盟の事務局として陰に日向に剣道会へ尽力をされてきた先生。剣道の発展普及に親子２代で努め、全日本剣道連盟から剣道有功賞を受賞。
　
遡ると2008年に当会が少年剣道奨励賞を全日本剣道連盟からいただくことになったのは、行保先生の西東京剣道連盟での貢献によるところのものである。
この年に現事務局が発足し、組織的運営を目指しての活動が始まるが、価値観の多様化や少子化の波も受け会員数は激減していた。
新事務局の発足により
会長　小俣行保（教士　七段）
師範　坂尻壽男（教士　七段）
師範代兼事務局長　坂尻貴宣
初心者指導に武田先生（退官後、五段から教士　七段までを取得）にて少ない人数ながら、夏合宿の開催、二級以下審査、忘年会による懇親会など、現在の事業内容の運営が、確立される。外部の剣友の力もあり、きめ細かい指導が可能になり、少しずつ会員も増えた。東日本大震災による節電対策により稽古場所の確保が難しい時期も可能な限り場所の確保につとめ継続性と剣道ができる喜びを共有した。
またお隣の浅川中学剣道部の創部依頼、連携した活動により地域教育に貢献してきた。
坂尻師範は横山中学の剣道の授業、剣道部の外部指導としても多くの子供達に関わり、ご逝去される１、２ヶ月前まで剣道を続けた。みっともない姿は見せないとの言葉通り、家族以外には突然となった訃報に故人を惜しむ声とともに、元気な姿しか思い描けないという人ばかりである。享年81歳。
組織的活動を支えてきたのは坂尻師範の顔とその厳しさと優しさがお大きい。現在のこれまでの小俣両先生を大事にしつつ現在の当会の在り方を支えてくれた先生であり、稽古の前後に毎回いただける訓話は短いながらも内容は濃く、多くの子どもに残っているものが多い。警察官としても立派な経歴を持っていたがそうしたことは表に出さず、晩年は社交的な一面で当会のもう一つの顔として地元での剣道の啓蒙活動というより自己研鑽を自ら体現し背中を見せ続けた。
“努力とは継続なり、継続は力なり”
“もう一息”
“剣道は正座と返事と挨拶がしっかりできたらそれだけで十分だ”
シンプルな教えの中に子供に考えさせる言葉も巧みに投げると共に、高段受験者が外部から稽古に来たのは坂尻先生の存在による剣友会の稽古の雰囲気が好感だったと思われる。